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骨粗鬆症の診断と治療

当院では、骨粗鬆症の診断と治療に力を入れています。現在、約800名の方が骨粗鬆症の治療を行っています。個人個人の病態に応じた、最新で最適なオーダーメイドともいえる医療を実現しております。

当院院長監修

骨粗鬆症とは

骨密度の低下または骨質の劣化により骨強度が低下し、骨折しやすくなる疾患あるいはその状態のことを言います。

骨粗鬆症は原発性と続発性に分類されます。続発性骨粗鬆症とは、骨代謝に強く影響する内分泌疾患や炎症性疾患などの原疾患に伴う二次的な骨粗鬆症を言います。

骨粗鬆症になりますと、 背中や腰が曲がる・ 身長が縮んでくる・ 腰や背中が痛むといった症状を訴えることが多く、腰痛があるため受診してはじめて骨粗鬆症がわかるという場合も少なくありません。

骨粗鬆症では、その84%で腰や背中に何らかの痛みがあります(高円寺整形外科 2012年調査)。腰痛があると日常の動作(ADL)に影響を及ぼし、その結果、骨や筋肉がさらに弱くなることにつながり、それが原因で新たな脊椎椎体圧迫骨折を起こし、また新たな痛みが引き起こされます。

このように骨粗鬆症による腰痛は悪循環を起こし、生活の質(QOL)が低下してしまいます。 それだけではなく、痛みが続くと不安な気持ちから気分が落ち込み、意欲が低下することもあります。腰痛を自覚したら、医療機関を受診して適切な診断のもとで治療を受けることが望ましいと考えます。

特に骨粗鬆症による腰痛の場合、自覚症状のないまま骨がもろくなってしまい、「いつの間にか骨折」を起こしていたりすることもあります。女性の場合は、閉経後に一度はキチンと骨密度を測定し、簡単な血液検査で骨代謝状態の把握をすることをお勧めします。

骨粗鬆症の診断

当院ではDXA法(二重エックス線吸収測定法)により骨密度の測定を行い、その他必要に応じてレントゲン撮影、血液検査により骨粗鬆症の診断を行います。

骨密度測定は臥床した状態で行いますが、痛みもなく10分程度で終了し、結果もすぐにわかります。

DXA法による測定では被ばく量も微少であり、正確な骨密度の測定が可能です。

脊椎や大腿骨頚部に代表される脆弱性骨折(わずかな外力で生じた骨折)の既往があれば、それだけで治療が必要な骨粗鬆症と診断されます。その他の部位の脆弱性骨折があり、骨密度がYAM(若年成人比較)の80%未満でも同様に診断されます。

脆弱性骨折がない例では、骨密度がYAM70%以下で骨粗鬆症と判断します。また、骨密度のYAMが70%より大きく80%未満で、大腿骨近位部骨折の家族歴や患者背景に骨折リスクの高い場合も治療が必要な骨粗鬆症と診断されます。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療には薬物療法、食事療法、運動療法などがありますが、薬物療法なしでは十分な効果が得られません。

骨粗鬆症に用いられる薬には、骨の吸収を抑える薬、骨の形成を促進する薬、骨の作り替えのバランスを整える薬などがあります。骨密度、血液検査(特に骨形成と吸収マーカーの値)や年齢や患者背景を考慮し、適切な薬剤を決定します。その後は定期的に(4か月から6か月)骨密度と血液検査にて副作用や治療効果の判定を行う必要があります。